「養子縁組」とは、本来親子関係ではない個人の間で、法律上の親子関係を発生させることを指します。
養子縁組を行うと、養子と養親の間には直系血族と同一の親族関係が生じます。(民法727条)
代表的なものとして、以下のような法律的な効果が発生することで知られています。
- 養子は原則として、養親の氏を称する
(民法810条) - 養子が未成年の場合、養親に親権が発生する
(民法818条2項) - 相互に扶養義務が発生する
(民法877条1項) - 養子は養親の相続権を取得する
(民法887条1項)
養子縁組の代表的な例として、以下のような具体例が挙げられます。
- 孫と養子縁組をする
- 子どもの結婚相手と養子縁組をする
- 結婚相手の連れ子と養子縁組をする
- 同性パートナーと養子縁組をする
- 節税目的で養子縁組をする
全ての例に共通し、発生し得るトラブルとして、実子が不満を持ち、遺産分割協議で揉めてしまうというケースが挙げられます。
養子縁組をした場合、子の人数(相続人)が増えるため、他の実子の相続分が減ってしまうことが大きく影響しているようです。
上記のことに不満を抱いた実子は、遺産分割協議で様々な要求を行い、結果的に揉め事へと発展してしまう可能性が高いです。
その為、相続を見据えて養子縁組をする場合は、事前に実子に対し、十分な説明・理解を求めるべきだと言われています。
次回は、養子縁組のパターンごとに、発生し得る相続トラブルの内容と対処法を解説していきます。
当事業所でも、この業務を行なっております。ご心配の方は、当社にご相談ください。
イラスト素材:相続イラスト.com